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2007/03/09「FRIDAY SPECIAL」中編 ※ゲスト:ACIDMAN

前編→http://pointline.exblog.jp/4817804/

~初めに~
これからお送りするのは、2007年3月9日(金)、CROSS FMで25:00~26:00にオンエアされた「FRIDAY SPECIAL」というラジオ番組の模様です。
「●」の会話は番組ナビゲーターのナオト氏です。
一部、内容を編集しておりますので、ご了承ください。

全国のおとまにの皆さん、こんにちは。
あや兵衛こと綾部かづきです。

●さぁ、通算5枚目のアルバムというのが、タイトルなんでしたっけ?
大木「『green chord(グリーン・コード)』」
●まず、この5枚目というのは、もう5枚目って感じ? やっと5枚目?
大木「もう5枚目だねぇ、あっという間」
●そう。 今回、何曲入ってるんでしたっけ?
大木「今回、13曲」
●「スロウレイン」とか「プリズムの夜」。 シングルも入って13曲。
大木「そうそうそう、13曲」
●どのくらいからやってたんですか、これは。
大木「前作の『and world』ってアルバムが、もうほとんど撮り終わって、マスタリング終わった次の日くらいからもう、曲作りたいモードになっちゃって」
●あら、入っちゃった、自分の中でスイッチが。
大木「そう。 1年くらいずーっと曲作って、それをスタジオで混ぜて混ぜて、いろいろやって。 1年間ずーっと」
●あ、途中で休むことなく、ずーっとやってたの。
大木「ずーっとやり続けて。 もちろんフェスとかライブがあったから、その合間は…あ、でもフェスの合間にレコーディングしたりとか」
●うわー。
大木「去年1年はずーっと『green chord』を作る作業してた」
●常に。 はぁー。
大木「常にスタジオ入ってたし。 ま、もちろんツアーもあったけど、ツアーは置いといて」
●そういうモードだったんだ・
大木「そうですね」
●どうなの? ライブ中も気になったりとかすんの?
大木「あのねー、夏フェスが正直、スイッチのオン・オフが難しくて。 平気だと思ってたの、余裕だなって思ってたんだけど、やっぱ、かなり疲れてきてて、自分も気づかないところで。 普段サラッと唄えるところでも、唄えなくなったりする時があって、ちょっとヤバイなと思って。 もっともっと鍛えなきゃ、と。 いろいろ考えた、去年」
●あぁ、そう。 そういう時、どうやって打開していったワケ?
大木「いや、もうゴリ押しで(笑)」
●あぁ、そうなんだ。
大木「やるしかない、と。 テンション上げるしかないみたいな感じで」
●本当…気分ね。 ちょっと変えようと思って。 例えばね、オレだったらちょっと1回中断して、やろうみたいな感じになるのかなって思ってたんだけど。
大木「中断しちゃうと、オレ1日でも休んじゃうと…ま、休むのは良いんだけど、それで何もしなかった日があると、何か凄い罪悪感に駆られる人間なので」
●え!? 何でオレ、曲作らなかったんだろう?みたいな。
大木「そうそうそう。 オレ1日何してんだろう、みたいな」
●1日だよ、だって! 24時間だよ!
大木「そう。 もちろん、そういう日もあるよ。 そう全くないワケじゃないけど、ダラーッとする時も大事なんだけど、必ずその日の夜はベッドに入ると、何か凄い悪いことしている気分になるわ」
●ちょっと反省しながら寝る。 凄いねー。 それで曲はボコボコ…
大木「曲はね…今回のアルバムから凄い気持ちは変わったのね。 今までってACIDMANがずーっと4枚(アルバムを)過去に出してる時に、必ずギリギリだったの、精神状態が、3人それぞれが。 何か常に解散してもおかしくない感じで、何かホントに会話もなかったし。 で、それは何でかっつったら、オレはワンマンバンドになりたくなくて。 ずっと2人にこう、いろんな責任を押し付けてきたの、もっと曲作ってくれとか、もっとアレンジ率先してやってくれよとか、このままこれじゃ、ワンマンバンドのアルバムじゃないかと、ずっと怒ってて。 そうなると、2人も凄い気負いしちゃってて、なかなか上手く回んなかったけど、で、『and world』が終わって、もう実際、ホント無理だな、やめようと思ってたの、バンドを」
●え!?
大木「ホントに。 社長とかにも言って」
●やめます、って!?
大木「うん。 やめますっつうか、ACIDMAN、ソロワークとしてやる、と。 ほとんどオレがやってるのと一緒だから、2人とでやってる意味ないみたいなことを…若かったんで、生意気だったんで(笑) 言ってて。 で、ホント、マスタリングが終わったその次の日くらいに、スカパラの谷中さん、加藤さんと、GAMOさんと川上つよしさんに呑みに連れてってもらって。 で、5人で呑んでて、それでオレが悩みを相談したの、そしたら『大木君、間違ってるよ』って言われて」
●皆に。
大木「そう。 バンドって言うのは、ワンマンバンドじゃなかったら、成り立たないから、まず、って言われて。 そんなん皆3人が三様、同じ位置にいて、同じエネルギー持ってたら、無理だって。 1人が曲書いて、詞書いて、唄ってる人間は、そりゃ一番頑張んなきゃいけなくて、他の2人より何倍も苦しまなきゃなんないんだよって、それを肩代わりさせたら、2人がかわいそうって言われてから、あ、そうか!ってなって、オレ、今までずっと間違ってたわ、って思って、霧が晴れて。 で、次の日にメンバー呼び出して、中目黒で(笑)」
●サトマと一悟が来て(笑)
大木「2人は完全に終わりだなみたいな感じの顔で来てたんだけど、オレが謝って、今までごめんねみたいな呑み会をして、3人で呑んで」
●号泣しながらね。
大木「うん。 ごめん、ごめんみたいな感じで。 オレが全部やってくから、オレが責任もって全部やるから、アレンジとか曲もやるから、ついてきてくれみたいな、今まで責任押し付けてごめんな、みたいな…感じになってから、すっごい曲がいっぱいできるようになって」
●あぁー、そうだぁ。
大木「気持ちとしてはもう、今まで押されてた気持ちとか全部出しちゃっていいんだな、と思って。 自分がやっちゃっていいんだって気持ちになったら、何でもよくなってきて。 何弾いてもメロディーが浮かんできたし、もう何弾いた後でも、もう1回何かやりたいなみたいな、どんどん曲ができて、そっから作った1週間くらいの曲が、今回のアルバムの半分を占めてる」
●なるほどねー。

 曲:ACIDMAN「スロウレイン」

●人気あるアルバムについて、お訊きしたいと思うんですけど、まさか、まさかの衝撃発言が先ほど出たんですけど、まぁ、そういうモヤモヤが取れて…
大木「取れて、のびのびできたアルバム。 もう全然、今もそういう問題ないし。 今回は唯一、一度ももめずにできたアルバムというか、うん。 のびのびと。 もちろん、その、悩んで、どういう曲にしようか悩んだ時期もあって、いっぱい悩んだけど、それは全然イライラとかじゃなくて、良い曲を作るために、良いアルバム作るために悩んだ時間だった」
●なるほどね。 凄い音が自信に満ち溢れてますね。
大木「ホント?」
●ホント、ホント。 でも、ACIDMANの音楽っつーと、耳じゃなくてさ、ハートで聴いてほしいよ。
大木「でも、ホントそう思う。 それ、人にも言われるし。 声が低いのもあるんだけど、歌声が。 何か耳じゃなくて、その、胃の方から来る感じが…って言われて、なるほどって(笑) 嬉しいけどね」
●サトマや一悟君も凄い満足してんじゃないの?
大木「そうそう。 凄い2人もオレがこういうやり方にしたから、喜んでくれて。 サトマに関してはもう、ベースフレーズのみ必死に考えてくれて。 何にもオレ、言わないから。 彼は天才ベーシストなので、フレーズとかが…」
●おお!
大木「だから、それを自由にやってくれ、と。 もうやりたいようにやってくれ、と。 一悟は曲モノ作れるから、助けてもらったりしてたけど、結構、皆、フォローしてくれて、オレ、突然、唄い出したり、突然、ギター弾いたりしたりするから、それを必ず、すぐ撮ってくれたり、つーか、合わせてくれたり」
●へぇー、そういう作業を…
大木「やってましたよ」
●総てを曝け出すってのは、どう? やっぱり勇気のいることだと思うんだけど。
大木「あぁ、でもね、のびのび。 何か気持ちよかった。 もう今までこうだったら、ここは隠してたんだけど、全部やっちゃっていいんだって、『いいんだ』って気持ちが、それで良いみたいな。 答えはないし、自分のバンドなんだから、自分が全部イエスだ。 なら、もう全部出すしかない、みたいな」
●もう、のびのび。
大木「できた」
●…感じ?
大木「感じ」
●なるほど。 その中でこれはもう、曝け出したなって曲なんかないの?
大木「曝け出したな…? うーん、どうだろうなぁ…」
●考えちゃった? これ。
大木「最後の曲、『toward』は10分あるんだけど、これはもうホントに、話し合いもしなかったつーか、こういう曲だから、こういうドラムにしてくれとかってコトも全く言わずに、自分の中で完全に決めちゃって。 これはこう! これはこう! みたいな感じで。 それ以外の曲はどんなにオレが作ったとしても。アレンジを3人で考えたりする。 でも『toward』に関してだけは、全く自分の思うままにやらしてもらったっつーか、最後の1曲だから。 だから、その曲が一番のびのびやったかな。 あと、『So Far』。 あれはアコギで、生々しい音だから、人間の体温というか、何となくそういうものが、リアルに伝わるような曲かなと、思います!」
●次はどうすんの?
大木「次はこのまま調子良い感じで、既に曲はある程度できてて」
●あ、もう曲できてんの。
大木「そう、そう。 5曲くらい候補の曲はできて、歌詞は全くできてないんだけど。 曲は何となくできてて、今の延長線上で凄く気持ちよくやれてるんで、まぁ、次も良い感じになればな、と」
●あらら、次も決まりつつある、と。
大木「うん、うん」
●ということだね?
大木「そうっす。 ま、どうなるか判んないけどね(笑) まだね、今んところはね(笑)」
●(笑) まぁ、この時点では良い感じ。
大木「この時点では良い感じ」

●また「green chord」と、タイトルが良いですからね。
大木「そう、そう。 『green chord』が、ずっど曲作ってきた時から、グリーンってイメージだったの、感覚として」
●緑。
大木「感覚としての緑。 絵が見えたってよりも、この感覚はグリーンだなって、ずっと思ってて。 何でだろって思ってて。 どの曲もずっとグリーンだから、アルバムタイトル決める時に、グリーンってどんなものか、ちょっと調べてみたら、物事を受け入れるとか、優しさだったり、人と上手く繋がることだったり、そういう色らしくて。 ちょうど自分がホントにそういうふうに割り切って、ワンマンバンドになるぞと、2人をもっと受け入れてあげよう、となった気持ちからグリーンだったから、ホントによくできてるなって思って」
●凄いね! ちょっとオレ、今鳥肌立ったわ、凄ぇ!
大木「(笑) そうそうそう。 意外と繋がるんだよね、物事って」
●でも、グリーンって、オレの中では自然とか。 自然体でできたワケでしょ?
大木「そうそう」
●そこも繋がってくじゃん。 怖っ!
大木「(笑)」
●あ、オレ、今自分で言ったけど、凄い。
大木「そう。 ホントにそうなのよ。 だから、グリーンは見えるんだなと、そういう人間には。 もう1曲目からグリーン。 何だろ、このグリーンは、って。 今まで見えなかったから、そんなにグリーンの色は。 今回は、どの曲もグリーンの気持ちだった。 だからシンプルに『green chord』という…」

 曲:ACIDMAN「REAL DISTANCE」

後編→http://pointline.exblog.jp/4920334/

今回のBGM:スウェードジラフ「シューティングスター」
今回、特に解説する必要もなく、珍しい。

by p_and_l | 2007-03-18 16:22 | ラジオレポート

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